みんなで見よう!おすすめ変光星 2014


                                 広沢 憲治

 2014年も秋が近づき、美しい星空の下で変光星観測がはかどる季節がやってきまし
た。観測者の皆さん張り切っておられることでしょう。また、最近観測を始められた
ばかりという方々もおられて、どのような星を観測したらいいか、という問い合わせ
も寄せられています。
 そこで、これからの季節にちょうど観測の好機を迎える変光星を、多くの皆さんと
ともに観測しようというキャンペーンを企画しました。観測対象には、以下の4つの
変光星を選びました。どの星も明るくて、肉眼や双眼鏡で観測するのにちょうどいい
相手です。

1 観測対象
・ R Aql (わし座R)
  わし座の西の端に位置していて、1等星アルタイルより少し早く昇ってきます。
変光範囲はカタログでは「5.3等−12.0等」となっていますが、これは過去最も明る
かった時と暗かった時の数字で、実際の極大は6等から6.5等のあたりになること
が多い星です。変光周期が次第に短くなっていることでも知られている星で、恒星の
進化を観測からちょっとだけですが感じられるということでファンが多い変光星です。
  2014年の極大は、11月30日と予想されていますが、ミラ型変光星は時として予想
と大きく異なる変化を見せる時があり、実際がどうなるかはこれから観測して確かめ
ていくことになります。これも変光星観測の楽しみの一つです。

・ R Cas (カシオペア座R)
  カシオペア座とアンドロメダ座の境界付近にあって、赤緯がおよそ50度付近にあ
り、ほぼ1年中観測できて、しかも明るくなることで多くの観測が集まる星です。極
大時の明るさは、6等前後になることが多いですが、場合によってはもっと明るくな
って、空の暗いところでは肉眼でも見えるようになることがあります。2014年の極大
は、11月26日と予想されていますがどうなるでしょうか。極大の日、そしてその時の
明るさともにどうなるかが楽しみな星です。

・β Per (ペルセウス座β=アルゴル)
  変光星の中では、くじら座のミラ、ケフェウス座のデルタとともに最も有名とい
ってよい星、食変光星の代表のアルゴルです。明るくて肉眼で十分観測可能なことか
ら、変光星観測を始めたころに、あれがアルゴルだ、と眺めたことがある人は多いと
思います。
  そんな有名な星についてはもう研究はしつくされて、すべて分かっていると思わ
れがちですが、実際には第3の星に起因すると思われる周期変化が認められるなど、
今も観測する価値は十分にある相手です。さらに、食を起こす時間が長く、極小時刻
を求めるためには肉眼による観測では最低でも4〜5時間、できれば6時間以上継続
して観測することが望まれるため、近年あまり観測されていないのが実情です。今回
のキャンペーン期間中に、ぜひとも極小を観測してみたいと思います。
観測の間隔は、眼視観測の場合、極小前後は10分に1回、他は15分〜20分に1
回でよいと思います。
  キャンペーン期間中に条件がいい極小は、以下のように予報されています。この
時刻ちょうどに極小になるとは限りませんので、数字に惑わされることなく観測をし
てください。

 10月         11月          12月
   2日 23h09m    11日 26h35m     4日 25h07m
  19日 28h03m    14日 23h24m      7日 21h56m
  22日 24h52m    17日 20h13m     10日 18h45m
  25日 21h41m                           27日 23h39m
                                               30日 20h28m

・RZ Cas (カシオペア座RZ)
  こちらもファンの多い食変光星です。変光範囲が 6.2 - 7.7 と少し暗く、肉眼
では観測できませんが、アルゴルと違って食の時間が短く、極小前後の2時間ほど観
測すれば、十分に極小時刻の決定が可能です。双眼鏡を使って、5分に1回をめどに
観測することをお勧めします。
  この星も古くからよく観測されているのですが、以前から、光度曲線の形が日に
よって変化したり、暗くなっていく時と明るくなってくる時とで変化のスピードが違
うことなど、興味深い事実が指摘されていました。最近になって、食による変光とは
別に、主星が短い周期で変光していることが分かり、これらの不思議な変化の理由が
明らかになったのです。この小さな変化は、眼視観測ではっきり捉えることは難しと
思われますが、観測をグラフ化するとおかしな歪みが見えてくるかもしれませんので、
客観的に観測することに心がけてほしいと思います。

  RZ Casの観測条件のいい日は以下のようになっています。
 10月            11月          12月
   4日 20h00m    4日 21h51m       4日 18h59m
    5日 24h41m     5日 26h32m     5日 23h41m
   10日 19h26m    10日 21h16m    10日 18h26m
   11日 24h07m    11日 25h57m    11日 23h07m
   16日 18h52m    16日 20h42m    17日 22h33m
   17日 23h33m      17日 25h23m     23日 21h59m
   23日 22h59m      22日 20h08m     29日 21h24m
   24日 27h40m      23日 24h49m    30日 26h06m
   29日 22h25m      28日 19h34m
   30日 27h06m      29日 24h15m

2 観測期間

   2014年10月1日〜2014年12月31日

 ミラ型の2つの星はいずれも11月末に極大を迎えると予想されていまます。また、
B β PerとC RZ Casは、秋から冬にかけて観測に都合のよい時期になります。そこ
で、今回のキャンペーンの期間を、10月から12月までとしたいと思います。ぜひ多く
の方に観測していただきたいと思いますので、よろしくお願いします。

3 観測用星図
  Bβ PerとC RZ Casの観測用星図は、いずれも「天体観測の教科書  変光星観
測編(誠文堂新光社、日本変光星研究会編)」に掲載されていますので、ぜひご活用
ください。また、@  R Aql、A  R Casについてはインターネット経由で入手可能な
ので、最新の AAVSOによる星図を使用されることをお勧めします。入手先等について
不明の点があれば、下記事務局へお問い合わせください。

4 観測報告先・問い合わせ先
  日本変光星研究会の会員であるかどうかにかかわらず観測報告を受け付けていま
す。電子メール、郵送いずれでもかまいませんので、広沢までお送りください。また、
日本変光星研究会ホームページで、途中の経過を発表する予定ですので、ぜひご覧く
ださい。なお「vsolj-obs」へ観測報告をお送りいただいている方は、いつもと同じ
ように報告していただければ結構です。
  観測を行う上での疑問点等についても遠慮なく下記までお問い合わせください。

  ここまで眼視観測(肉眼、双眼鏡)を前提に説明をしてきましたが、最近はデジ
タルカメラなどを観測に使用される方も多くなっています。この機会に、手元にある
デジタル一眼や、CCDで観測してみよう、という方がおられましたら、こちらをご覧
いただくか、下記へご相談ください。

    日本変光星研究会 名古屋事務局
         広沢 憲治   〒492-8217 稲沢市稲沢町前田216−4
                  (電子メール:NCB00451@nifty.ne.jp)


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